○2014年4月発行 活動記録集に掲載
2013年活動報告~TA岩手・盛岡中央教室
TA心理カウンセラー・交流分析士准教授 西條ユキコ
はじめに
盛岡中央教室は2008年12月にTA教室の認可を頂きましたので、2013年12月で丸5年経ちました。講座は、翌年(2009年)3月に第1回の2級講座を開講しました。以来、春スタート講座と秋スタート講座というように年2回養成講座を実施して、現在2級講座が10期生、1級講座が8期生となっています。
尚、昨年秋にはTA教室全国統一キャンペーンの土曜日コースが入った関係でレギュラーと合わせ、2講座を同時展開しました。
1,受講者数
1講座の受講生は原則定員10名としていますが、定員を超える受講者数です。
2級講座の1期生―15名、2期生―15名、3期生―11名、4期生―14名、5期生―18名、6期生―15名、7期生―14名、8期生―22名、9期生―12名、10期生―10名。
1級講座の受講生は、1期生―8名、2期生―5名、3期生―7名、4期生―14名、5期生―7名6期生―11名、7期生―10名、8期生―12名。
5年間でTA盛岡中央教室に所属人数は、実数145名になりました。
TA盛岡中央教室からの有資格者数 (2013年12月現在)
インストラクター・・・ 14名
1級・・・33名(この中にインストラクター養成講座受講資格試験合格者8名)
2級・・・51名
主宰者(筆者)の考え方
私は、交流分析に出会って心から良かったと思っています。それをみんなに伝えたいといつも思っています。ですから、受講生に一番強調することもそれで、学ぶ喜びを共有したいのです。
私は、TA教室の講師ではありますが、受講生を共に学ぶ仲間と捉えています。講師が聞いたことや気づいたことを受講生に提供するという考え方です。
教室自主勉強会の必要性
盛岡中央教室の総受講者は5年間で145名ですが、認定試験を受けない人も数多くいることや協会会員登録をしてない人も複数いることから、教室独自の勉強会を実施したいと考えました。
私が初めて交流分析を学んでからしばらくの間、身近なところで交流分析を知る人すら居なかった寂しさや、勉強する機会がなかったこともきっかけとなっています。
盛岡中央教室の2級講座を終了した人の感想に、自分の心のクセに気づいたことや楽になったということばを多く聞きます。そのような折角の気づきも時が経つと忘れてしまいます。そう、交流分析の魔法が覚めてしまうごとくにです。
ですから、忘れないようにするためには、振り返りをする場所を設定することにしました。
(盛岡中央教室2級講座修了者は、盛岡OK牧場というOB会に入ります・・会費無料)
勉強会の形
盛岡中央教室で学んだことがあるすべての人は、勉強会に何を求めているのだろう?
どのような切り口で?
いろいろ考えているうちに、ジャンル別のグループを思いつきました。
下記の4グループにしました。
・医療介護グループ
・教育子育ちグループ
・ビジネスグループ
・コミュニケーショングループ
それぞれ希望のグループに所属してもらいます。ひとつに絞れない方は複数のグループに所属する事もできます。
そのほか
・全体向け勉強会用に指導者グループの勉強会も作りました。
各グループに、リーダー1名とサブリーダー2名いますが、TA TODAYを読む会は発案者に取り仕切ってもらうことにしました。
勉強会の考え方と連絡方法
・各グループ勉強会
・リーダーとサブリーダーの役割は、グループの人たちの意向を聞いた上で、勉強会の内容や進め方を提案する。
・TA教室の主宰者(筆者)は、その提案を検討した上で決定し、会場を決める。(なるべく無料の会場を探す)
・主宰者(筆者)から連絡網(各期に連絡担当を置いている)で、OK牧場全会員に伝える。
・勉強会グループは主催を担う。
・勉強会には、グループ所属に関係なく希望すれば誰でも参加できる。
・申し込み先は勉強会グループリーダー又はサブリーダー。
・勉強会グループは、勉強会当日の進行とまとめもする
・参加費は100円~200円程度
※リーダーは、先生をする訳ではありません。
・TA TODAYを読む会は、参加者全員で輪読を中心にする勉強会です。
・参加費は、100円程度
・指導者グループ主催の勉強会は、年2~3回実施します。
4月にインストラクター養成講座を終了し認定試験の前に実施するインストラクションリハーサル会。度胸をつけることが目的ですが、参加者の感想や意見も参考になります。1級2級資格者には、いつか自分も体験する時が来るという、モチベーションを持ってもらう効果もあります。
・交流分析士教授や准教授クラスを招いた研修会を実施します。
・講師料をお支払いする場合が多く、ほとんどが有料講座です。
JTAAニュースで名前を見ている先生から直接受講する研修は、満足感も高いようです。
・勉強会の頻度
ジャンル別グループ主催勉強会は、1年に1回程度。
4グループありますから、年4回以上になります。(医療介護グループは特に活動が活発で、年3回実施しました。)
TA TODAYを読む会は、月1回程度。
指導者グループは、年3回程度。
その他、協会年次大会や東北支部の研修会を入れると、勉強 する機会は結構多くあります。
主宰者(筆者)の今後の課題
門下生が年々増えて喜ばしいことですが、それで終わらせはいけないと思っています。インストラクター資格を取得した後の活躍の場や、その環境づくりが必要だと思うのです。それには何をしたら良いのだろうか、何が効果的なのかを考えています。
まずは、入門講座や養成講座を実行する時の後押しが必要なのでしょう。集客がうまく行かずに講座を開くのを断念する話しをよく聞きます。集客方法は各自のやり方で工夫しなければならないものですが、広く一般に向けた交流分析の認知度が上がる方法はないものかと考えています。具体的にはまだ模索中ですが、交流分析を学びたいと食指が動くように世間がなれば、交流分析が普及していきます。学習する教室を探すはずです。
振り返れば、私がインストラクターを目指した目的は、交流分析を伝える人を作りたいと思ったからです。門下生が指導者となって活躍してくれないと、私の目的は達成されないのです。
私の中学時代の(*)恩師が著書の中で「人を育てるうえで大切なことは希望を失わせないこと。人が持っている可能性を引き出すのは意欲である。意欲は希望から生まれる。希望は目標を与え、目標は努力を可能にさせる。」と言っています。
私がTA教室を開きたいと思ったきっかけは、交流分析を学べば社会が良くなる筈という希望からでした。それには交流分析を伝える人を作りたいという目標を持ちました。そして私なりに努力をしました。
TA岩手盛岡中央教室が6年目に入る2014年4月に、インストラクターが20名を超える見込みで、私の当初の目標は達成されました。
次なる目標は、指導資格を持った門下生が活躍することなのです。その為には、希望を持てる環境があること。意欲を持てば目標ができ、目標達成のために努力をしてくれるものと考えています。
結論
人生態度第1の立場、OK-OKこそが発展への道。
マネージメントも人の仲も、それに尽きると思います。
とかく力がついてくると、「私の方がじょうず」とか「人を利用する」とか言う考えを持つ人がいますが、それでは長続きしません。切磋琢磨は良いことですが、優越感はラケット感情でOK-OKではありません。今あることに感謝し、謙虚に努力する姿こそ、すべてが後押ししてくれるものと信じています。
今後も、「仲良く心地よく」をテーマに、それがひいては交流分析が発展し続ける貢献になることを夢見て、精進して行きたいと思います。
引用文献
木村悌郎 2013 時空を超えた絆 岩手復興書店 19